ここからは実生活で行動して考え方を変化させていきます
こちらのページに先に来られた方は第1章からご覧ください
練習や訓練ではなく、実生活上での行動が重要であるということを
わかりやすくたとえた話を以前テレビ?で見たことがあります。
(うろ覚えですが)
その人は自分が小心者で、怖がりな性格が嫌で、それを治すために猛獣の住むジャングルに単身入って行き、勇敢にも猛獣に立ち向かい倒したと言います。そして、こんなにも強くなったのだから、もう世の中に復帰しても心配ないだろうと帰ってきました。
ところが、世間と猛獣の住むジャングルとでは状況が違い、やはり以前の性格が出てきてしまい順応することができませんでした。
と・・・・だいぶ極端な話ですが、もうお分かりでしょう!
実生活上のことは訓練や練習では対応できないということです。
日々の実生活が規則正しくない人は、見直して、修正して下さい
第1章で書き出した日々の生活があまりにも規則正しくない人は、
極端に自分を縛り付ける規則を作らないように注意しながら見直していきましょう。
よく言えばマジメ過ぎるくらいマジメな性格の人が神経症者には多いですが、
悪く言えば融通がきかない頑固者とも言えます。
いったん自分で決めたことに忠実に従うのは間違いではありませんが、
世の中は自分一人で成り立っているのではなく、
自分のことより優先される事も時には起こります。
自分で決めて必ずやろうと思ったことも、
家族や大切な人、仕事によって時間を取られることがあっても当然のことです。
少しづつでも柔軟に、臨機応変に対応する癖をつけることが大切です。
神経症の症状が多少苦痛でも薬は絶対服用せず、日々必要なことは行動し実行しましょう
用事もないのに、練習だと言って行動することはしません。
あくまでも、実生活上で必要な行動をしましょう。その時できなくても、繰り返し何度でも行ってください。
多数の人が正しいと思うこと
人が求めていること
人の役に立つこと
人のために尽くすこと
決して自分の気分や感情で行動を決めないということです。
神経症者は、自分の症状を知られまいとしたり、症状が起こることへの不安から、あれこれ理屈を並べ、自分が行動しないで済むようにあれこれ言い訳をして、行動しないことを正当化する場合があります。
神経症者でなくても誰でも、自分にとって都合の悪いことは気が進まないものですが、
神経症者は、自分の気分で行動するのは、治療中はやめにしましょう。
必要な行動と共に運動をお勧めします!
無理のないストレッチから始めて、ウォーキングや、自宅でできる程度の筋トレを続けて行うことです。
下腹に意識を集中して呼吸するだけで、気分は落ち着くものです。
体力に自信がつくと、取り組み方も自然に変わっていくものです。
苦手な場面や場所も、実生活で必要なら出かけて行きましょう
症状が発症するような場面でもやり過ごすことができるなら、そちらを選ぶ。
どうしても耐えられそうにないときは、行動をいったん中断しましょう。
たとえばパニック障害の人が外出や、乗り物を利用する場合、
出かける前から不安でいっぱいですし、
今にも倒れてしまうのではないかとか、心臓はバクバク状態だと思います。
それでも実生活で必要なことなら、
途中で中断したとしても
あらためてまた行動しましょう。
過去にどのような境遇に居ようが、現実を直視して、実生活に必要なことは行動しましょう
特に過去で、人に甘え過ぎていたとか、依頼心が強すぎた人は、
多少苦痛でも必要な行動を自らすることによって、生活に対する考え方が変わってきます。
命の危険を体験するような危機にあった
心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような人以外は、
トラウマとか神経症になった原因を突きとめる必要はありません。
今、現在、現実生活を重視してください。
このようなことについては異論もあると思いますが、私は、そうしてきました。
現在の環境は神経症にとって重要なことです
金銭的に困っている、
職場や学校で人間関係がうまくいってない、
家族の間でトラブルを抱えているなど、
神経症にとってはこのようなストレスが一番の発症原因になりかねない解決すべき課題です。
発症原因を追究しないと申し上げましたが、直面している問題は解決していきましょう。
単なる困りごとならストレスは小さいでしょうが・・・
自殺さえ考えさせられる大きなストレスには発展させてはいけません。
自分だけの力ではどうすることもできない状況のような場合は、
家族や友人・同僚・上司というような、
自分をさらけ出して相談できる
良きアドバイザーやカウンセラーの存在が必要です。
神経症の克服法 まとめ
- 自分の症状を含めた現状を把握するためにノートに書き出す作業を行います。
- 規則正しい生活を前提とするため、書き出したものに修正点があれば見直します。
- 神経症の原因の追究はしません。
- 薬は絶対に服用せず、持続できる運動をして肉体的にも強化をしていきましょう。
- 常に実生活に必要な行動をとり、症状があっても気分では行動をしないようにしましょう。
- 人のために役に立つ、人に尽くすことをしましょう。
- 行動を中断することがあっても、必要な行動は繰り返し行い、成功体験を重ねて自信をつけていき、症状に対しての抵抗力をつけていきましょう。
お疲れ様でした!
第1章から始まり、ここまでのことの繰り返しが私のやってきた克服法です。
神経症を克服するということは、症状が消えてなくなることではありません。
不安をなくしてしまおうとすることは、
正解のない答えをひたすら求めて問題を解くようなものです。
不安はなくなることはありません。
そんな無駄な行為はやめにして、人生を楽しんでください。
症状を恐れず、症状に対応できる自分を作り上げ、
症状は実生活の中で、ごく小さな問題に過ぎないとすること。
そして、
神経症の症状に対して、
費やす時間や、計らう手段をしなくなった時、忘れている時。
このような自分になった時、神経症は治ったと私は定義づけしました。
この克服法が、数多くある克服法の一つとして、お役に立てば幸いです。