森田療法
森田療法を、私なりに解釈してみました
精神療法の一つで、
精神科医 森田正馬(1874~1938)が自らの神経症の体験をもとに1919年頃創始されました。
内気で、心配性、小さなことをいつまでもくよくよと気にする、完全主義者、負けず嫌いの人
ヒポコンドリー性基調の人
ヒポコンドリー性基調の人とは (心気性基調)
ほんの小さな体の異常でも、どこかに大きな病気があるのではないかと過度に心配して、いくつもの医療機関を何回も受診するよう性質の人
森田療法では、このような人が、何かが原因で発症した症状を病気ではなく
誰にでもある感情のひとつだという考え方をします。
森田療法の治療の最終目標
神経症者は、一度体感した神経症の症状が、
また起きたらどうしようという感情(予期不安)をかならず経験します。
その感情を、特別視したりせず、誰にでもある感情だと気付かせて、それを本人に認めさせてあげて、
その時の症状や感情をあるがままに受け入れて、日常生活が送れるようにすることです。
あるがままとは
感情は自分の思い通りにはならないもので、
その感情のまま行動なり発言を行うということです。
ただ、あるがままは、それを意識した時には、もうすでにあるがままではないということになります。
神経症の発症原因を突き止めて、不安を取り除くということではなく、
不安も症状もそのまま感情のひとつとして受け入れ、それを理解させたうえで、
なおかつ、自分の感情の赴くまま行動するのではなく、
日常生活に必要な行動とることができるようにするということです。
森田療法の言葉には下記のような独特のものがあります。
①精神交互作用
事を起こすとき、体験した不安がまた襲ってくるのではないかという思い(予期不安)が、
かえって不安を高めてしまい、なくそうとすればするほど悪循環になってしまうこと。
不眠症の人が、眠らなくてはと、思えば思うほど眠れなくなるというような状況
気にすまいとすると、ますます気になってしまうという状態です。
②思想の矛盾
不安に対して、こうでなくてはいけないとか、こうであってはいけないと、
感情を自分でコントロールしようとすること。
人前で話すときはあがってはいけない、顔が赤くなっては困るというような状況
これは内気でありながら、負けず嫌いという性格の特徴で、理想と現実のギャップです。
自分はこうでありたい、こうあるべきだ、でもそうできないという、そんな状態です。
森田療法は入院治療とカウンセリングによる通院治療があり、いずれにしても森田療法に精通した医師の判断で行われます。
森田療法は薬物を使用しない療法でしたが、近年、医師によっては併用されることもあります。
認知行動療法
神経症者の誤った認知(考え)と行動を、段階を経て少しづつ変化させて、症状の改善をしていくというものです。
考え方が変化すれば、行動も変わるということは、逆も言えることで、行動すれば考え方が変わるということでもあります。
このように認知療法と、行動療法を統合させ良循環させるという療法です。
治療は神経症者と専門医・臨床心理士などのマンツーマンのカウンセリングを行う場合と、神経症者が何人かのグループになって行う場合があります。
軽症者は 独学、あるいは専門医の指導のもとに単独でもできる治療法です。
認知療法
極端な思考パターン
●一度の失敗や少し良くないことが起きただけで、めげてしまうような思考
●こうあるべきだ!とか こうでなくてはいけない!という思考
●物事を善か悪かとか、白か黒かというような思考
●事実ではないかもしれないのに、悪い方に思い込む思考
●どうせダメだろう!と否定的な予測をして、行動を制限してしまう
●悪い原因を必要以上に自分のせいにして自分を責める
上記のような思考パターンが、神経症をはじめとする精神疾患に大きく影響していることが分かっています。
認知療法は、思い込みや誤った認識を修正して、ものの見方や考え方を変えていく治療法です。
行動療法
パニック障害で電車に乗れない神経症者が、
行動パターンを段階を経て変化させていく過程です
●一人では電車に乗れないなら、まずは誰かに付き添ってもらう
●とりあえず電車のホームまで上がってみる
●各駅停車に乗ってみる
●混雑時を避けてすいている時間帯に乗ってみる
●目的地まで乗る
上記のパニック障害による電車に乗れない状況を、できる範囲で少しづつ実行し最終目標に達するまで行動することによって、神経症者自身に自信をつけさせるというものです。
実生活の中で習慣になっている誤った行動パターンや異常な行動を、
段階的に修正していき、行動パターン自体を修正していくという治療法です。